第6章 the act of walking on a road
【和也side】
『カズさん、指名入りま~す。』
ホストでの源氏名も、オーナーはもっと
関係ない名前を付けてもいいんだよと
勧めてくれたが
俺は、あえて自分の和也から取って
『カズ』
にした。
『美咲ちゃん♡
今日もきてくれたんだ。 すげー
嬉しいな。
俺、美咲ちゃんには勝手に運命
感じちゃってんだよね。』
全く心にもないセリフもキザなセリフも
一年もたった頃には慣れてきた。
そうして、俺もホストになって
3年の月日が過ぎていて
家族のことも忘れはしないが、
見つかることもないと
なんとなくたかをくくっていたんだ。