第3章 Wrap up the chocolate.
思いがけない展開に、急にドキドキ
して言葉もうまく出てこなくなる。
その上、潤さんには家族がいない…。
自分のわがままで勝手に家出してきた
俺には耳に痛い事ばかりだ。
『…っく。 ……すげー
美味い…です。
ケーキ。
…ありがとうございます。』
俺も潤さんの作るチョコレートが
大好きだ…
弟さんへの思いが溢れてくるような
ケーキ……。
食べたかっただろうな…ー 杏樹くん
そんなことを思ってまた3人の写真を
見つめる。
『……和也くん? どうしたの?』
気づいたら俺の頬には涙が流れていた。