第2章 Like chocolate melting away.
2階の自宅へと上がってもらう。
『和也くん。 飲み物は?
って言ってもコーヒーか紅茶かって
感じだけど』
俺は棚の中をガサガサとあさり
ながら二宮に声をかける。
『あ、じゃあ… 紅茶で。』
さっきまでの元気はどこへいったのか
急に大人しくなってキョロキョロと
している。
『何にもない部屋だろ… 』
俺はそういいながらカットしたケーキ
と紅茶を出して、
もう一つは仏壇の前のテーブルに
乗せると線香をあげる。
『…俺も一人暮らしなんで似たような
感じです
あ… あの
俺もお線香あげてもいいですか。』
『ああ もちろん。
ありがとう。』
二宮は仏壇前に正座すると、
線香をあげて手を合わせた。