第2章 Like chocolate melting away.
【潤side】
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『え… ちょっと違いますよ!
何度か声かけたんすけど、お兄さん 真剣で全然 気づいてくれないんだもんな~』
そう言われ、彼の顔を見る。
ーあれ… この子って。
いつかの家出少年……ー
俺が、外で店を閉めるところを見かけて
来たらしい。
杏樹の為に作ったケーキ…
去年から作って、仏壇にあげている
が結局は自分で少しずつ食べている。
弟の命日に再び現れた偶然…
そして和也と名乗るその子の笑顔を
見た時に、俺はどうしても二人を
重ねてしまっていたのかもしれない。