第15章 It's bitter and sweet choco
ドスンっとペットボトルを落とした音がして慌てる知念の声に戻ろうとするが、同時に早く開けろと怒ったような催促の声がインターホン越しに響く。
『何で………智さんが。 雅紀さんとしか繋がり無いんじゃなかったの……』
『おい、知念大丈夫か? もう兄さん上がって来ちゃって……あ~あ~~、何してんの。 自分まで濡れちゃってんじゃない』
バスタオルでこぼれた水を拭いて自分のスウェットを出して履き替えさせているとオートロックから上がってきた智がガチャガチャと扉を開ける音がして無言のままに入ってきた。
『何してんの? つーか、侑李いるんだろ?』
『え? ってか…何で知ってんの? え? もしかしてそっちが目的?』
緊急で、ベッドルームの扉を閉めただけの知念が隠れているほうに視線を送る。