第15章 It's bitter and sweet choco
【和也side】
『俺が代わりに幸せにしてやるから……』
そう言って知念の体をそっと後ろから抱きしめると、目に涙を貯めて振りむく。
何言ってんだなんて強がり言いながらも真剣な目で見つめるとたまっていた涙がポロリと流れ落ちた。
『和………』
顎をクイッと持ち上げ唇を近づけて触れそうなその瞬間玄関のチャイムが鳴った。
『………こんな時間に誰だろ もしかして雅紀兄さんかな…』
微妙な空気のまま体を離してそう言うとベッドに知念を置いて、玄関へと向かった。
『はいはい。 …………って、智兄さん?』
『え………』