第1章 恋は黄昏と共に
「…色に乗せて、思い出をこのスケッチブックに残しておきたいの。でも上手くいかなくて…。前はね、と言っても随分昔の中学生の頃だけど、あの頃はもっとキラキラした絵が描けていた気がするの。なんであの色が作れなくなったのかなって悩んでたら、分からなくなっちゃって。自分の描きたい色って何だろうって」
(やべー何言ってんのか全然わかんねーっ!)
ダメだ不可能だ。人間のレベルが段違いで、全く話についていけない。
こーゆーのはカラ松が得意なんだよ。あいつなら分かっても分かってなくても、イタイ方向でそれっぽいこと言いそうだし。
あとは十四松。あいつは本物感あるからサラリと確信を突きそう。
…って、さっき迄いた二人じゃん。
クソーあいつらに負けてたまるか!
とは思ったものの、そんなセンス毛頭無いので正直に感じたことを口にした。
「ふーん…つかさ、昔と違うのなんてしょうがなくね?年食って経験積んだら、見える世界も変わるでしょ?うしろのヘドロとかさ、ちっさい頃観たらメイ目線だけど、大人になって観たらサツキ目線で感情移入したりするじゃん」
「おそ松くん、それ、4歳が小学生になっただけだよ?」
「え?〇〇ちゃんもしや、ばーちゃんに共感すんの!?」
「……おそ松くんの精神年齢……ご、ごめん、なんでもない。気にしないで」
気にしてと言わんばかりの流れで話を切られた。