第1章 恋は黄昏と共に
「あの川、私にはこの色に見えるんだけど、おそ松くんはどう?」
「へ?そんなん言われても、俺センスゼロだから」
「思ったことを言って」
思うことなんてただ一つ、〇〇ちゃんの身体を知りたいです、と心で呟き川と画用紙の青を見比べた。
唸りながら見ていると、ほんのちょっとだけ〇〇ちゃんが身体を寄せ、肩が微かにぶつかった。
ドキリと胸が弾んだのを隠すように言葉を紡ぐ。
「ええー…俺はこんな暗い色に見えないんだけど。もうちょい水色寄りな感じ?」
「そっかぁ、でも私にはこう見えちゃうんだ。どうしてだろう…」
「よくわかんねーけど、好き勝手描きたいように描けばいいんじゃないの〜?」
「うん…そうだよね」
なんでか分かんないけど、〇〇ちゃんは俺そんな傷つくこと言った?ってくらいうなだれてしまった。
下を向きながら、筆で瓶の中の水をかき混ぜ遊ばせている。