第1章 恋は黄昏と共に
あれから一週間。
待ち遠しくてたまんなかった一週間。
俺はいつもより早く昼飯を食って、水色のジャケットに着替え家を出た。
手には連絡先のメモ。
要するに——告ろうと思った。
童貞の勘(別名、おねーさんに対する強い思いから覚醒した第六感)で今日じゃないとダメだって思ったんだ。
ポケットに手を突っ込んで河川敷を歩いていると、ヒラヒラと舞い散るピンクの花びらが俺の鼻に乗っかった。
(もう…そんな時期か)
カレンダーなんか殆んど見ない俺に、桜の花びらがわざわざ鼻の上に遊びに来て、春ですーって教えてくれた。
なんか、応援されてるみたいでちょっと嬉しい。
人生初のちゃんとした告白を目前に控えているのに、気持ちは何故か落ち着いている。
結果なんかどう転んだっていい。
伝えたい、ただ、それだけだった。