第1章 理想
「はぁ…もーいい。もうしんねー」
はぁ…雄ちゃんの方が意味わかんない。
ガララララと教室のドアが開いたと思ったら先生が入ってきて言った。
「席につけ。出席を取るぞ」
「「はーい」」
みんなは返事をした。
みんなが返事をしたと同時にまた教室のドアが開いた…。
誰だろう??
「おい。山蕗ゆりは。居るか?」
えっ?私の名前??私は慌ててドアの方を見た……。そこに居たのは………鬼怒川蓮だ。みんなはびっくりしていた。なんで?こいつ…そんな有名なのか?
「鬼怒川……蓮」
「んだよ。つか……フルネームで呼ぶな。ていうか…山蕗ゆりはっていうやつはいねぇのか?委員会で呼ばれてるんだよ」
「は……?私が委員会で呼ばれてる…?」
「あ?私???っていうことは、このアホ女が山蕗ゆりはなのか」
「はぁ!?アホ女ってなによ?私にはちゃんとした名前があるのよ!この生意気男めが!」
すると隣の席からコソッと聞こえてきた。
「やめとけって。ボッコボコにされても知らねーぞ?」
………………雄ちゃんだ。
が、雄ちゃんの言ったことは無視。
「まぁいい。山蕗ゆりは。こい」
「わかったわよ」
先生まで唖然としている。それだけ有名なのか。この生意気男は。むかつくけど…委員会に呼ばれてるんじゃ断れないしね。でも…校則かなんか、やぶったっけなぁ?