第1章 理想
「ん。まぁ…そーだな。つーかよお前今日先輩に喧嘩売ってたろ??」
「は?なんのことよ?」
先輩?喧嘩売ってた?雄ちゃん、意味が全然わかんない。
「だーかーら、鬼怒川蓮(キヌガワレン)先輩だよ」
「鬼怒川蓮?誰のこと??」
ハッ。
思い出した……。
雄ちゃんが言っているのは…あの、くそ生意気男のこと!?
鬼怒川蓮っていうんだ…。
「あの生意気男?私は喧嘩売ったつもりはないからね。あっちがぶつかってきたくせに謝りもしないのよ?」
「まじか。おめぇ、鬼怒川先輩に喧嘩売ったのか。おめぇ後から助けてっつっても知らねーかんな。どーにもなりたくなきゃ今すぐ謝ってこい」
「だから喧嘩売ってない!ていうかなんで私が謝らなきゃいけないの!?」
雄ちゃん、ほんと意味わかんないことばっか言うんだから…。私がなんであの生意気男、鬼怒川とかいうやつに謝んなきゃなんないのよ