第1章 理想
「ふん。とにかく、そういうのは嫌だから。なんで笑われなきゃなんないのよ」
ドンッ
「いったぁ…」
「ゆりは。大丈夫!?」
「うん。岬、大丈夫だよ」
「……ちゃんと前みろよアホ」
「なによ!あなただってぶつかってきたでしょ?ごめんなさいくらい言いなさいよ」
「あ?…んだよ。めんどくせ…」
何この人!めっちゃ生意気なんですけど!?おかげで制服が汚れちゃってるし!もう。これから学校ってときに!!!!
「でも……」
「へ?」
「制服は汚しちまったからな。それだけは謝ってやるよ。悪かったな。じゃ」
そう言ってあいつは去って行った。
え…なにこいつ。生意気だけど…嫌ではないかも…………。
って!!!!!!!!
意味わかんない。なんで私、あいつを許しちゃってんの!?
「ゆりは…みた?あの人の制服、私達の学校の制服だったよ!?」
「えっ?うそ???まじ?見てなかった」