第2章 放課後
ピンポーン
私があれこれ考えていると、突然チャイムがなった。
「あ、はーい」
ガチャ
「よっ!やっぱ柚子絵いねぇー?」
「うん。お姉ちゃんは飲み会」
「よく行くよな。あいつ」
「しょうがないよ。会社の人に頼まれてるんだよ?しかも部長とかに。断れないでしょ?」
「ま、そうかもな。つぅか、ゆりダコ暇なんだなー」
「暇で悪かったわね!それと、ゆりダコじゃないっつうの!!!!」
拓也さんは、私の怒った顔がタコに似ているからといって私のことを『ゆりダコ』と呼ぶ。
「ゆりダコだろ?」
「うるさい!」
「そうやって怒るから彼氏できねーんだよ」
「はぁ?なにいってんのよ?残念でしたぁ。実は彼氏いるんですぅ!!!」
「へぇ〜?そぉなんだぁ〜??ほんとぉ〜〜かなぁ???」
あっ。しまった………。(仮)恋人なんだった。てゆうか、前に言ってた「拓也さん意外と優しいし」ってゆうのは消します。全然優しくないじゃん。
「いやっ。愛し合ってはないけど…」
「それ、どうゆうこと?」
私は話した。今日『好き』と言われずに告白されたこと。一緒に帰ってキスしたこと。
「ふぅーん。そんなことあったんだ。てゆうかゆりはは好きなの?そいつのこと」
ドキッ。
拓也さんは、真剣になると急に呼び方を変える。私の時は「ゆりダコ」➡︎「ゆりは」に変わる。
「え?まぁ…いや、わかんないよ」
「そ。」
「一言…?」
「俺、恋愛相談所の人じゃねーんだからな」
「ふっ、ふんっ!知らない。拓也さんに話した私がバカだった!!!」
「でも。」
「え?」
「お前はそいつのこと好きなんだったら付き合えば?あっちはどう思ってるかしらねーけどな」
「え?………なにそれ」
「アドバイス。って思っとけよ。ゆりダコ」
そう言って拓也さんは私のおでこにデコピンをした。
「いったぁ……。なにすんのよっ!!バカ!」
「ふん。んじゃ、そろそろ俺帰るわ」
「え?遊んでないじゃん」
「はぁ?遊ぶ?ちょっとお前をからかいにきただけ。俺受験生だし。考えろっつぅの」
拓也さんはお姉ちゃんの友達といっても社会人ではなく受験生。チャットで知り合ったらしい。
「はいはーい。バイバイ」
「おう」