第1章 キミと出会う
あれから、薬研はおかわりまでして沢山食べてくれた
そして片付けを終えれば、私は薬研の座っているソファーへと腰掛けた
「おつかれ、名前」
『ありがとう、薬研』
片付けを終えた私に、薬研はおつかれと言いながら微笑んでくれる
それだけで、私はすごく癒された
そういえば、薬研汚れてるなぁ…これはお風呂に入れるべきだよね?
きっと汚れてて本人も気持ち悪いだろうし…なんて思いながら薬研に声を掛けた
『薬研、お風呂入る?』
「ん?風呂か…でも俺着替えがないしな」
『着替えなら私の貸してあげるから!』
すると、薬研は気まずそうに目を逸らした
「……下着もか?」
『あ……』
わ、忘れてた……!
あれ…女の子の下着を男の子履くことって出来るのかな…いや、でも薬研が嫌だろうし…
着替えはいいけど、やっぱり下着はダメだよね……
『忘れてた……じゃあ、換えの下着コンビニで買ってくるからちょっと待っててくれる?』
「え、今から買いに行くのか?夜道は危ないぞ」
『でも、お風呂入ってさっぱりして欲しいし…!大丈夫だよ、すぐそこだから!』
私は財布を片手に立ち上がれば、玄関へと向かう
すると、薬研も後ろから着いてきた
「なら、俺も一緒に行くぜ。名前に何かあったら大変だからな」
『え……でも…』
「いいから。ほら、行くぞ」
そう言って先に玄関を出る薬研
男らしいな…なんて思いながら、それに続いて私も外に出た