第1章 キミと出会う
『良い名前だなんて…言われたことなかったからなんだか恥ずかしいな…』
「そうなのか?名前って良い名前だと思うぜ」
『あ、ありがとう…!』
私は名前を褒められて恥ずかしかったが、とりあえずお礼を述べた
そういえば…男の子の名前聞いてなかったな…
これから共に生活するには名前を聞いておいた方がいいよね…?
私はそう思えば、ご飯を美味しそうに食べている男の子に名前を尋ねた
『あの…良かったら、キミの名前も聞いていいかな?』
「ん?あぁ、まだ言ってなかったな。俺っちは薬研だ。気軽に薬研って呼んでくれ」
今、俺っちとか言わなかった?
可愛すぎない…?なにこの子…一人称可愛い…!
『薬研ね…じゃあ、これからは薬研って呼ばせてもらうね?』
「あぁ、俺もアンタの事名前って呼ばせてもらうからな」
そう言って優しく笑みを浮かべる薬研
正直、子供なのか大人なのか…わからない
見た目だけならショタなのだが…話してみると大人っぽいし…
そんな事を考えながら、食べている薬研を見ていれば薬研がこちらを見てきた
「名前って料理上手いんだな…全部美味いぜ?」
『え、そ、そうかな…?普段はあんまり作らないから…自信はないんだけど…』
「こんな美味い料理なら毎日でも飽きないな」
そう言いながら文句も言わずに、どんどんと料理を食べてくれる薬研
私はその姿に嬉しくなって自然と笑みが零れた