第9章 自分の気持ち
泣きじゃくる私の頭を優しく撫でながら抱き締め返してくる薬研
「名前が俺の幸せを願ってくれることは、すごく嬉しいぜ……でも、一番の幸せは…アンタの傍に居ることだ……」
『薬研…私もっ……薬研が傍に居てくれるだけで幸せだよ……本当は、薬研のこと追い出したくなかった…ずっと、この先も一緒にいたかったの……っ。』
薬研の顔を見ながら真っ直ぐ本心を話す
それを、薬研は静かに聞いてくれる
『本当は薬研が好き……大好き…っ、一緒にいると楽しくて、癒されて…寝る時も暖かくて…髪を乾かしてもらうのも大好きなのっ……』
「うん…」
『だからっ……帰ってきて…薬研…』
真っ直ぐ見つめれば、薬研はにっと笑った
「……名前がキスしてくれたら帰る」
『へ……?』
薬研の言葉にキョトンとすれば薬研は私の涙を親指で拭いながら囁く
「帰ってほしいだろ?なら、キスしてくれよ…名前から」
『っ……わかった…』
私は意を決して、薬研の頬に手を添えれば優しく唇にキスした