第9章 自分の気持ち
『……薬研?』
そのダンボールを見れば、あの日の事を思い出す
私は、またあのダンボールに薬研が入っているのではないかと期待を膨らまして駆け寄った
そしてそっとダンボールを開くと、そこにはすやすやと眠っている薬研が居た
『薬研…!薬研……!』
私は安心からか、目から涙が溢れた
そして薬研を呼んで揺さぶれば、薬研がゆっくりと目を覚ました
「ん……名前…?」
『薬研…っ』
ぽたぽた流れる涙が頬を伝い、薬研の頬に落ちる
「名前…なんで……」
薬研はゆっくり起き上がれば、驚いたようにこちらを見てくる
『薬研…なんで自宅に帰らないのっ?心配したんだからっ……!』
これでもかと言うくらいの力で薬研を抱きしめる
すると、薬研も私を強く抱きしめてくれた