第4章 不安な気持ち
やめてと抵抗すれば、薬研は身体を離した
その途端、いきなり手首を掴まれればソファーへと押し倒された
「っ……!」
『薬研……痛い……っ』
怒りのこもったような、それでいて悲しみを含んだような眼差しで私を見下ろしてくる薬研
そして手首を掴んでいる手に力がこもる
薬研の華奢な身体からは想像のつかない様な力で押さえつけられ、つい顔を歪めてしまう
そんな私に、薬研は顔を寄せてくる
「なぁ…名前……」
『っ……薬研……』
こちらを見つめている目に、普段の薬研が居ないような気がした
そんな薬研を見つめ返し名前を呼ぶ
すると、薬研はすごく悲しそうな表情を浮かべた