第4章 不安な気持ち
「……名前…、俺のこと……その内捨てちまうんだろ…?」
悲しげな表情から発された言葉に私は目を見開いた
今にも涙が溢れてしまいそうな瞳に、吸い込まれそうになった
『なんで…そんなこと……』
まだ出会って間もない…
それなのに、捨てられる心配をしてるの?
内心で色々な事が過る
そんな私を他所に薬研は私を押さえつけたまま、再び首筋に舌を這わす
「ん……なぁ、抱いていいか?」
薬研は手の力を緩め、首筋から鎖骨にかけて何度も何度もキスしてくる
甘えているのか…正直何を思って行動しているのかわからない
でもただ分かることは、不安でいっぱいだということがこちらまで伝わる
今にも消えてしまいそうなほどに…
薬研の問いに、私の答えは一つだけだった
『いいよ……』