第3章 君と新生活
あれから俺はすぐ名前の自宅へと帰ってきた
そして荷物を降ろせば、ソファーへと腰掛け俯いた
「はぁ……」
なんでよりにも寄っていち兄に会っちまったんだ…
一番会いたくなかった人物に会って俺は酷く苦しくなった
兄弟今までこんなに喧嘩したことは無かったし、言い合いもしないくらい仲良かった…
俺だって、兄弟支えて頑張ってきたつもりだったのに……
そんな心の闇に包まれれば更に苦しくなり、ソファーへと横になって目元に手首を置いた
「……名前に会いてぇな…」
口からほろりと出た言葉に、自分自身驚いた
「……俺……今……」
俺は、手に持った合鍵を見つめて握りしめた
まだ出会ってまもない女に現を抜かすなんて…
あの女だって…俺のこと……
「……捨てちまうのに」
唇をかみ締めれば、自分の言葉に涙を零した