第3章 君と新生活
『ん……』
カーテンから差し込む光と、何やら美味しそうな匂いに私は目を覚ました
隣を見れば薬研は居なくて慌てて体を起こした
『薬研……!』
辺りを見渡しながら薬研を呼べば、薬研はリビングからひょこっと顔を出した
「おっ。起きたか、おはよう名前」
『え、あ……おはよ…』
薬研の姿を見て私は安心し、胸をなで下ろし挨拶を交わした
すると、薬研がこちらに近づいてくれば笑みを浮かべた
「あー、なんだ……俺なりに朝食を用意したんだが…食べてくれるか?」
『えっ、朝食…!?』
「まぁ、料理は得意じゃないから簡単なものしか作れなかったが…」
薬研は照れたように人差し指で頬を掻きながら目を逸らした
朝食を作ってもらえることなんて、実家に住んでいた時以来だったからすごく嬉しく感じた