第2章 初めての夜
「ん。乾いたぜ」
数分経てば、あっという間に髪も乾き薬研はドライヤーをテーブルに置いた
『ありがとう、薬研!いやぁ、髪を乾かしてもらうなんてあんまりないから少し緊張した』
「緊張するのか?まぁ、髪は女の命…なんて言うもんな」
薬研は私の髪を優しく撫でながら話す
その手の優しさに勝手にドキドキしてしまうが、その気持ちを誤魔化すようにドライヤーの線を抜けば片付ける
『薬研、髪触りすぎだから……』
「あ、悪いな。触り心地がいいもんだからつい、な」
髪から手を離せば薬研は、にっと笑った
『髪を触るなんて薬研くらいだよ…、ふぁ……』
薬研と話していれば、つい欠伸が漏れた
今日も仕事で疲れてたし、眠くなるのも当然か…なんて思いながら時計を見た
その時計は、もうすぐ0時を指そうとしていた
『薬研、そろそろ寝よっか…』
「あぁ、そうだな。んじゃあ俺はこのソファーで寝るから、名前はベッドでゆっくり休め」
『へ?一緒に寝ないの…?』
一緒に寝るつもりでいた私は、つい間抜けな声を出してしまった
すると薬研は口を開く
「?狭くなるだろ…?」
『そんなの気にしなくていいよ!ほら、寒いし…ソファーで寝かせて風邪ひかせたら嫌だしさ…!だから一緒に寝よ?まぁ、薬研が嫌じゃなければ…だけど』
私は薬研をチラっと見れば、返事を待った