第2章 初めての夜
『ふぅ、さっぱりした〜』
私はお風呂を出れば、髪を拭きながら薬研が待っているであろうリビングに来れば薬研はぼーっとテレビを見ていた
『薬研、お待たせ』
声をかければ薬研はこちらを向いた
そして、目線が私の髪に止まった
「おう、って……髪濡れてるな…風邪ひくぞ?」
『薬研だってさっきまで濡れてたじゃん』
「俺はもう乾いたから平気だ。ほら、こっち来いよ」
薬研は自分の隣をポンポンしながら私を呼ぶ
私は素直に薬研の隣に行き腰かければ、タオルで髪をワシャワシャと拭いてくれる
『んー…自分で拭けるからっ…!』
「なら、俺が髪乾かしてやるよ」
『え、いいよそんな…面倒だし』
「……名前、髪が傷むぞ。折角キレイな髪してるんだから、大事にしねぇと」
そう言いながら、薬研は私の髪を指で掬えば髪を撫でられる
男の子に髪を触られるなんて、ここ数年ない
そのせいで、無駄にドキドキしてしまう
『わ、わかったから…!ドライヤー持ってくるから待ってて?』
私は洗面所に置いてあるドライヤーを取りに向かった
そしてドライヤーを手にすれば薬研の元に再び戻った
『はい、ドライヤー』
「ん。じゃあ乾かしてやる。熱かったら言えよ?」
『あ、うん…!』
ドライヤーのコンセントをさせば、ドライヤーを髪に当て乾かしてくれる薬研
なんだかお姫様になったような気分だ…