第2章 大混乱の嵐
[アベルside]
アベル 「はぁ〜…。」
あー、つらい。
あの距離であの匂い…
う、次あいつが来たら大変だ。
まだ倉庫にアレが残ってたっけ?
アベルは急いで調理室を出て行った。
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私は晩餐室についてテーブルの上の食器を片そうとしていた。
ななし 『あれ…?』
よく見ると料理が微妙に残っているお皿がいくつもあった。
みんな少食なのかな。
完食したのは私だけか…。
なんか恥ずっ!
てか、皿多い!
全部持ってけないわ〜
おぼんでも持ってくりゃ良かった。
私はとりあえず持てるだけの皿を持って調理室へ向かった。
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ななし 『アベルさーん、お皿持ってきましたー…って、あれ?』
そこにはアベルさんの姿はなかった。
どこ行っちゃったんだろ?
ま、いっか!
よし、残ってる食器も持ってこよ。
私はまた晩餐室へ走って行った。
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調理室から晩餐室を往復4回してやっと全ての食器を運ぶことができた。
ななし 『はぁ〜、疲れたー』
アベル 「おつかれ。」
ななし 『あ!!アベルさん帰って来てたんですね。どこ行ってたんですか?」
アベル 「いや、別に…。それより洗い物を頼む。」
ななし 『あ、わかりました!!そういえば、皆さんって少食なんですか?お料理が結構残っていらしたので…』
アベル 「え!?あ、えーと…みんなそんなに食べない。」
ん?なんかアベルさん焦ってる?
アベル 「あ!!危ないっ!!!」
ななし 『え…?』
なにか腕に当たったかと思えば鋭い音が聞こえた。
パリーンッ!!!!
よそ見をしながら洗い物をしていたせいで 台に乗っていたお皿を落としてしまった。
ななし 『ご、ごめんなさいっ!!!』
私は急いで割れたお皿の破片を拾おうとしたら指を切ってしまった。
ななし 『痛っ!』
アベル 「おいっ!…っ!?!?」
アベルさんが近くに寄って来たが、すぐに口元を抑えて離れた。
アベル 「今絆創膏を持ってくる…傷をちゃんと洗っておけ…。」
そう言ってアベルさんはどこかへ行ってしまった。