第5章 吸血鬼兄弟の目的
ななし 『しょ、証明…?』
シャーロット 「そう。」
そんなこと言われても、証明の仕様がない。
だいたい、私のさっきの発言こそがなによりの照明じゃないか。
ななし 『…どう証明すればいいの?』
シャーロット「んー」
シャーロットはしばらく考えると私の方に身を乗り出してきた。
シャーロット 「例えば、俺を抱きしめるとか?」
ななし 『なんだ、そんなことか。はい、ぎゅーー』
私はシャーロットに抱きついた。
やったはいいが、私の心拍数は上がり体温が上がる。
か弱そうに見えたシャーロットの体が意外にもがっちりしていて男らしく、男の人なんだなーっと実感させられたのだ。
一方、シャーロットはそれきり何も言わない。
不思議に思いシャーロットの顔を見上げようとすると、シャーロットが私の背中に腕を回しきつく抱きしめた。
ななし 『シャーロット…?』
シャーロット 「んー…」
何か悩んでる様子でシャーロットが返事をする。
何か不満でもあるのか…
ななし 『…どう?証明できた?』
シャーロット 「んー、まぁまぁだな。」
ななし 『まぁまぁ…か。』
シャーロット 「じゃあ、俺にキスしてよ」
ななし 『……………………は!?』
いやいや、どういうことだよ!
なんでキスしなきゃなんないの、今それ関係なくない!?てか、むしろなんでこんなことしてんのか分かんない!!
ななし 『何言ってるの?シャーロット。』
シャーロット 「そのままの意味だ、できないのか?」
ななし 『で、できないよ!』
シャーロット 「…俺のことが嫌いか…」
ななし 『別にそういう訳じゃ…!!』
うわ、なんかめんどくさくなってきた。
だって、キスだなんて、お付き合いしている人とするもので、そうじゃない人と簡単にできるものじゃない。
ななし 『あのね、キスとかは付き合ってる人同士がするものだし、今私たちがするのは違うと思う。』
シャーロット 「ふ〜ん、そうか。」
納得してくれたのかな。
まあ、分かってくれたならそれでいい!