第5章 吸血鬼兄弟の目的
あれ、なんだろ…
ひやっと冷たい感触で私は目が覚めた。
布団かけてなかったっけ?
…あれ、ちゃんとあるな
でも、なんだろ
なんか左側が冷たい
私は体の左側へと手を伸ばすと冷たい肌が触れた。
ななし 『ぎゃーーー!!ゆ、幽霊!?!?』
すかさず飛び起きた私は布団をひっぺりがえすと、そこには顔をしかめたシャーロットがいた。
シャーロット 「ん…なんだ…?」
ななし 『シャ、シャーロット!?なんでこんなとこにいるの!?』
シャーロット 「いや、ちょっと夢心地が悪くてな…」
あれ、口調がいつもと違う
あ、もしかしてまた第二の人格が…?
ななし 『…ちょっとこっち向いて』
シャーロット 「ん、なに?キスでもしてほしいのか?」
ななし 『うわ、ちょっと…!!』
私は迫ってくるシャーロットの口を手で押さえる。
シャーロット、なんかあったんだな。
えっと、第二の人格が出るのは「怒り」や「悲しみ」とか心情に大きな変化が起きた時だったっけ…
シャーロット 「「ちょっと夢心地が悪くてな…」」
あ、怖い夢でも見たのかな…
ななし 『シャーロット、怖い夢でも見た?』
シャーロット 「え………。」
うわ、図星…
ななし 『怖くなって眠れなくなっちゃったんでしょう?』
シャーロット 「んー…」
そう言ってまた布団へと潜っていってしまった。
これ、絶対自分の部屋に戻ってくれないな
ななし 『はぁ…。まぁいいよ、怖くてねれないなら』
シャーロット 「え、いいの!?」
ななし 『だって寝ないとシャーロット、なおらないし…。それに怖いんでしょ?』
兄弟の中にはシャーロットの性質を知らない人がいるみたいだし、明日までには直さないと…
シャーロット 「…こっちの俺は嫌いか?」
ななし 『あ、ごめん。そういうつもりじゃ…』
シャーロット 「……。」
ななし 『私どっちのシャーロットも好きだよ。口調とかが変わるだけで、あなたもシャーロットには変わりないし…それにーーー』
続けようとした私の話をシャーロットが遮った。
シャーロット 「じゃあ、証明してよ。」