第5章 吸血鬼兄弟の目的
ななし 『大丈夫です。ちょっと考え事してて…』
ジョシュア 「そうかい?でも疲れただろう」
そう言うとジョシュアさんの大きな手が私の手を取った。
ななし 『え?』
ジョシュア 「ほら、あと少しだから頑張ろうな!」
ななし 『こ、こういうのは彼女さんとかとするものじゃ…!』
ジョシュア 「彼女?そんなのはいないさ。それにこの前だって君にキスしたじゃないか。彼女なんかいたらしないだろう」
ななし 『そ、それって…』
ジョシュア 「ん?」
ななし 『な、なんでもないです』
私は赤くなった顔を見られないように目を背けた。
こんなんじゃほんとに恋人みたいじゃん…。
それからの城までの道のりは短く、あっという間に着いてしまった。
もうちょっと繋いでいたかったなんて、私はきっとどうかしてる。
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あれからというもの、私は家事をしていても食事をしていてもなんだか上の空だった。
自意識過剰なだけかもしれない。
けど、もし、もしそうなら…って期待している自分もいる。
あーあ、なんだか今日は外出もしたし疲れた。
私はベッドに横になった。
少しひんやりとしたシーツが火照った体には気持ちよかった。
そしてそのまま眠りについた。