第5章 吸血鬼兄弟の目的
ジョシュア 「まあ、いい。とりあえず後で俺の部屋に来てくれ。服は…うん、その服でいい。似合ってるぞ」
また服、褒められた…。
これ誰がデザインしたんだろ。
ななし 『あ、ありがとうございます…。後で行きますね。』
では、と告げ私はジョシュアさんの部屋を出た
えーっと次はレイさんかな。
昨日は寝不足で、起きてなかったけど今日は早く起きてそうだし。
結果としてはレイさんはまた夜中まで起きてたらしく、まだ寝ていた。
声をかけるなり飛び起きて慌てていた。
そして最後にアッシュさんの部屋に訪ねれば、案の定まだ二度寝の最中で、声をかけても起きないので叩き起こした。
そんなこんなやってれば9時になった。
そろそろ行かないと昼食に間に合わないな。
約束通り私はジョシュアさんの部屋へ向かった。
ななし 『ジョシュアさん、準備できました。』
ジョシュア 「あ!ちょっと来てくれ」
何だろうとジョシュアさんの目線の先を覗き込んでみると、靴が2つあった。
どうやらどっちを履くか迷っているらしい。
オシャレさんなんだなー
ジョシュア 「なぁ、君ならどっちを選ぶ?」
ななし 『うーん、そうですね…。今着てる上着と似た色のこっちの靴がいいと思います!』
私の選択に満足したのかにっこり笑って靴を履いた。
ジョシュア 「よし!じゃあ、行こうか」
私は先に歩くジョシュアさんの後ろを追いかけるように城を出た。
しばらく歩くと暗く細い道に入った。
細い道を下るとパァーッと明るい光が私を包んだ。
眩しさに目がくらむ。
次の瞬間、賑やかな声と共に市場が目の前に広がった。
果物の商人 「いらっしゃーい!ほらほらそこのお嬢さん、これとかどうだい?ここら辺じゃ滅多に手に入らないものばかりだよ」
ななし 『あ、えっと…』
威勢のいい声に驚き戸惑っていると、サッとジョシュアが間を割って入ってきた。
ジョシュア 「ばあさん、悪いが俺たちは布を探しに来たんだ。」
果物の商人 「あら、そうかい」
ジョシュアさんは商人のおばさんに手をふり、再び歩き始めた。