第5章 吸血鬼兄弟の目的
アベル 「そ、その…似合っている…」
なんだこの顔の真っ赤っかな生き物は…
かわいすぎか!
ななし 『え!ほんと!?嬉しい!』
アベル 「…っ!は、はやく作るぞ。」
褒められて上機嫌な私はテキパキと料理を進めて行った。
〜数十分後〜
アベル 「はい、完成。じゃ、運んできて。俺はここの片付けしてるから」
ななし 『うん、わかった』
えーっと、昨日と同じようにまずは長男だよねー………。
いや、待て。
今、8時を過ぎたところだ。
昨日のことから考えると末っ子のナーシャが起きる時間だ。
昨日は遅れたせいですっごい怒らせちゃったし、先にナーシャの部屋から行こう。
大丈夫、アッシュさんは二度寝するって言ってたし。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
コンコンコン…
私はナーシャの部屋に着くとドアを叩いた。
すると、ドタドタと足音とともにドアが勢いよく開いた。
ナーシャ 「わぁ!今日は早いね、えらいえらい!」
ななし 「あはは…」
昨日怒られたから怖くて最初に来たなんて口が裂けても言えない。
ナーシャ 「わぁ、美味しそう!いただきます!」
私は幸せそうに食べるナーシャをあとにして、次の部屋に向かった。
次は、昨日おきてたジョシュアさんの部屋に行こう。
部屋に着けば案の定、起きていた。だけどなんかすっごい服に気合が入っていた。
ジョシュア 「おー、おはよ」
ななし 『おはようございます。素敵な服ですね。どこか行くんですか?』
私は紅茶の用意をしながら聞いた。
ジョシュア 「ああ、市場に行こうと思ってな。君も連れて行く、デートだ」
ガシャガシャンッ!
突拍子な答えに驚き危うくカップを落としそうになる。
ななし 『で、デート!?!?』
ジョシュア 「なにもそんなに驚くことはないだろ。ただ、今度の新作のドレスに合う生地を選びに行くだけだ。」
ななし 『そうなら、最初からそう言ってくださいよ…』
疲れ気味に言うとジョシュアさんは可笑しそうに笑った。
ジョシュア 「かお真っ赤だぞ?」
ななし 『なってないっ!!』