第5章 吸血鬼兄弟の目的
〜衣装室〜
ななし 『どれにしようかなぁ』
色々な色のドレスがズラーッと並んだ部屋で私はどれを着るか悩んでいた。
メイド服は…、うん、却下。
なんかいかにも召使い感が出てていやだ。
しかも地味だし、せっかくこんなにたくさん用意してくれてるのだから、この辺の可愛いものが着たい!
たくさんの服の中から一着のピンクのドレスを取り出した。
ななし 『あ、これ可愛い!』
アッシュ 「ヘぇ〜、こういうのが好きなんだ〜」
声に驚き振り返るとそこにはまだまだ眠そうなアッシュさんがいた。
ななし 『あ、アッシュさん!?…おはようございます、早いですね』
アッシュ 「トイレで起きただけー。うーーーーん…」
そう言うと私の肩にうりうりと頭を乗せてきた。
アッシュ 「ねぇ、今日はその服着るの?」
ななし 『あ、そうしようかなぁと。可愛かったので
』
アッシュ 「ふ〜ん」
なんだその微妙な反応は…
こんな可愛い服は私みたいなのが着たらダメだって言いたいのかな?
ななし 『似合いませんか…?』
アッシュ 「うーん、いいんじゃない?君はなんでも似合うよ。」
ななし 『そうですかね…』
なんでも似合うは言い過ぎだとは思ったけど私は嬉しくて顔がほころんだ。
さてこれを着ようかな。
ななし 『アッシュさん、私これ着るのでお部屋戻っててください。すぐ朝ごはん用意するので』
アッシュ 「ん。じゃあ俺はベッドで二度寝でもしてるかな」
また寝るんだ…
ななし 『はい、じゃあ私行きますね』
私は選んだドレスを持ち自室へと戻った。
部屋でさっきのピンク色の服を着て髪をてきとーに結めば、調理室へと向かった。
〜調理室〜
ななし 『おはよ、アベル!』
アベル 「おは…っ!?」
ななし 『え?どうした?』
アベル私の姿を見るなりおどおどとしだした。
アベル 「その服…」
ななし 『え、もしかしてメイド服じゃなきゃダメだった!?てっきり他のでいいのかと…』
アベルが好きなのを着ていいって言ったから可愛いドレスもいいのかと思ったのに。
アベル 「いや!違う!その…ただ驚いただけだ…」