第4章 私の仕事
私はびっしょりと濡れた服を脱いで風呂に入った。
そして、体はもちろん、頭もさっぱりして気づいた。
!!!服がない!!!
かろうじてバスタオルは何個か置いてあった。
が、しかし、服はもちろん下着もない。
てか、持ってない。
この世界には急に連れてこられたから、服なんか持って来てないのだ。
仕方ないからさっきまで着ていたメイド服でいいかと思ったが、さっきのでビショビショだったことに気がついた。
終わった…。
このままここにいたところで何も解決しない。
仕方ない、このバスタオルを巻いて部屋までダッシュするしか…。
数分間悩んだ末、私はバスタオルを体に巻いて、ビショビショのメイド服を持ってバスルームの扉をそーっと開けた。
廊下に誰もいないことを確認し私は素早くバスルームでて自室に向かって走った。
よし、このまま誰にも会いませんように!!
っと思ったのもつかの間…
目の前から金髪の男が現れた。
アベル 「お、お前なんて格好をっ…!?」
ななし 『ちがっ、これは訳があって!!!』
アベルはさっきから顔を真っ赤にして必死に目をそらしていたが、ハッとこちらを向いた。
アベル 「ん?風呂に入っていたのか?」
ななし 『う、うん。入ったのはいいんだけど私、服持ってないことに気づいて……』
アベル 「服…まだ選んでなかったのか。来い。」
アベルは自分の羽織っていた服を脱ぎ私の肩に掛けてくれた。
うわ、イケメンかよ
男らしい行動に不覚にもどきっとしてしまう。
〜数分後〜
衣装室に着けば相変わらずたくさんのドレスが並んでいた。
あ、そういえばここにある服って皆が作った服なんだっけ。
ななし 『この服ってアベルたちが作った服なんだってね!レイさんに教えてもらったの。すごいね!』
アベル 「ああ。まぁ、デザインだけだけどね。あ、しっ、下着とかはそこにあるから!」
アベルは引き出しを指差して、そのまま部屋を出て行こうとした。
ななし 『待って!あのさ、せっかくだからアベルのデザインした服着たいなぁ…なんて』
アベル「え!?」