第4章 私の仕事
ななし 『だめ…かなぁ?』
アベル 「だめじゃない…」
アベルはしばらく黙っていたが真っ赤な顔でそう答えた。
ななし 『やったぁ!ねぇねぇ、どれがアベルの作った服なの?あ、もちろん寝巻きっぽいのでね!』
するとアベルはたくさん掛かった服から何着か取り出して私に見せてくれた。
アベル 「この辺なんかどう?布も触り心地いいし、寝巻きとしては最適だと思うけど」
ななし 『へぇー!これアベルが作ったの?すごいね!』
どの服も丈が長めのワンピースで、色合いも落ち着いた色でとてもかわいい。
だけど、なんだろ…
がばっと開いた胸元にはレースがついていたり、背中が開いていて紐で編み上げられていたり、なんか露出が多い気が…
ななし 『…ねぇ、このデザインってアベルの好み?』
アベル 「え…?あ、んー、自分で考えてるから自分の好きな形にはなりがちだけど。」
ななし 『なるほどね、そっか』
ほぼほぼ好みだと…
それにしても意外だな。
私のタオル一枚の格好を見てあんなに動揺してたのに、こんな服は簡単に作っちゃうなんて
アベル 「ねぇ、どれにするの?早くしないと風邪ひくぞ」
ななし 『あ、ごめん。えーっと…』
どれもかわいいけど、露出が気になる。
どうしよどうしよ…
ななし 『アベルが決めて。私に似合うのを、お願い』
アベル 「はぁ?俺が!?」
ななし 『だっ、だってどれもかわいくて選べないんだもん』
露出のせいだと言えばきっとアベルが恥ずかしさに耐えられず、どっかに走って逃げて行くだろうと思い言えなかった。
アベルはため息をついたが、服と私を見て真剣に選んでくれた。
ほんと真面目だよね
見た目は金髪だしチャラそうだけど、中身は全然そんなんじゃなくて、不器用なとこもあるけど、なんだかんだ優しくしてくれる。
アベル 「ん、決めた…はい、これ」
そう言って渡されたのは、水色の丈の長いワンピースだった。
七分袖で、袖のところにはレースがついていた。
胸元はそんなに開いていなくてリボンが飾られていた。
裏を返せばまさかのあの、背中が開いているものだった。
ななし 『あ、ありがと!これすごいかわいいなって思ってたの!』
アベル 「そうか、よかった」