第4章 私の仕事
〜調理室〜
私はアベルとディナーを作っていた。
切っている玉ねぎが目にしみる。
ななし 『……………。』
アベル 「ちょっと…なに、どうした?」
アベルが困ったように私の顔を覗き込んできた。
ななし 『別に、なんでもないです。玉ねぎが目にはみてるだけだから』
アベル 「それだけには見えないけど…」
ダンダンダンっと玉ねぎを切っていく。
あーーーー!もう、なんか今になってムカついてきた。
なんなのあの長男!!
いっつもへらへらしちゃってさ!
んでなに?
私自身が狙い!?
いやいや、みんな血に盛ってたよね!?
しかもあの長男が先に首噛んできたし
それであんなこと言うか?
もうなんなの
私はなんのためにここに無理やり連れてこられたんだ
アベル 「おい、平気か?」
ななし 『…!!』
アベル 「どうしたんだ、なにをそんなに苛立っている?」
ななし 『………。』
私がなにも答えずにいるとひょいっと私の手から包丁を取り上げた。
アベル 「はぁ、もういい。これは俺がやる。お前はテーブルに食器を並べといてくれ。」
そう言うなり、アベルは玉ねぎを切り始めてしまった。
怒ったかな
怒ったよね
あー、これも全部あの長男のせいだ。
もうやだ
私は仕方なく食器を持ち晩餐室へと向かった。
〜アベルside〜
アベル 「はぁ…、なにがあったのか俺には話してくれないか…。くそっ…」
ななしが出て行った後、静かに苛立っているアベルだった。