第4章 私の仕事
もしかして気持ち良かったのかな
私は優しく頭を撫でてあげた。
ななし 『シャーロットさんの髪、とても綺麗ですね』
シャーロット 「そうか?前髪が鬱陶しくて仕方ないけどな」
ななし 『あー、確かに少し長いかも…。今度私でよければ切ってあげますよ?』
シャーロット 「ん、じゃあ今度頼む。」
そう言うと再び目を閉じた。
しばらくシャーロットさんの頭を撫でていると静かな寝息が聞こえてきた。
寝ちゃった?
もうそろお昼ご飯だっていうのに。
やっぱよく寝るのは吸血鬼だからなのかな。
さっき庭でもジョシュアさん寝てたし。
ちょっとしたら起こそうかな…。
〜数十分後〜
ななし 『シャーロットさん』
肩をとんとんと叩くとシャーロットは目を開けた。
シャーロット 「ん…。あれ…僕なんで寝てたんだろ…」
この声のトーンは!!
ななし 『シャーロット?』
シャーロット 「あれ…君は……。あ、会いに来てくれたんだね…。ごめん…僕寝てて…。」
髪を気にしてシャーロットは鏡の前に歩いて行った。
ななし 『あ、いや!違うの!私が約束を忘れて…』
シャーロット 「うわ!!」
シャーロットは鏡を見るなり大声で叫んだ。
シャーロット 「僕、もしかして…、ねぇ、君、あいつに会ったの…!?」
シャーロットは搔き上げられた前髪をぐしゃぐしゃといつも通りに直した。
ななし 『あいつって…二重人格のこと?』
シャーロット 「あ…やっぱり…。ごめんね、あいつが出てる間…僕は記憶がないんだ…。僕なにかしてない…?」
ななし 『えっと…それは全部私が悪くて…』
私が約束を忘れたこと、そのせいでシャーロットのもう一人の人格がでてしまったこと、私はちゃんと説明してあげた。
シャーロット 「僕、物心ついたころからもう一人の僕がでてくるようになったんだ…。最初は友達と喧嘩した時…。僕、すごく怒って…、気づいたら僕は兄様たちに押さえつけられてた…」
ななし 『そうなんだね…』
シャーロット 「ねぇ、僕のこと…嫌いになった…?」
ななし 『え!ならないよ!大丈夫、もしもう一人のシャーロットがでてきてもちゃんと向き合うから、ね?』
私は不安そうな顔をしているシャーロットの頭を撫でてあげた。