第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
放課後の職員室は質問をしに来た生徒や、先生に呼び出された生徒などが行き交う
私は少し離れた所で鞄を持ちながら待っていたのだが、いっこうに先生が来る気配がない
私は鞄を地面に置いて、中から今月のバリボーを取り出した
中学までバレーをしていて、毎月バリボーを買うのが習慣だった私は本屋等で見かけるとつい手にとってしまう
選手じゃなくてもバリボーを見るのは楽しい
知ってる選手や、どんな選手が活躍してるのか等は今でも気になる
それに、私には密かに楽しみにしているコーナーがある
題名は"プロが教える!知ってて損はないッ!"
ページ数は1ページくらいなのだが、結構面白い
プロの選手達が実際に行っている練習法や、ドリンクやクールダウンのやり方など、初歩的なことから以外なものまで特集される
「(そう言えば、中学の時からあるよな~このコーナー)」
そんなことを考えながら文を読む
?「あの.....」
「....?____ッ!?」
誰かに声をかけられ、バリボーから顔をあげると目の前に同じクラスの赤葦京治が立っていた
驚きで思わず体をビクつかせた
赤葦「あ、ごめん。驚かせちゃった?」
「あ....いや、大丈夫....」
働かない頭で考えながら、何とか答える
だって、モブキャラKに話しかけるなんてあり得ない
赤葦「同じクラスの山田さんだよね」
「...うん...そうだけど...」
くっそ、話しかける姿までイケメンかよ
この世は不平等やな~とか思っていると、私の持っているバリボーを指差した
赤葦「それ...バレー好きなの?」
「あー...うん。まぁ」
私は曖昧な答えをする
あぁ、私の馬鹿野郎。もっと女子らしい反応は出来ないのか...
赤葦「...そのコーナー...俺も好きだよ。中学の頃からずっとあるんだ」
私が数分前まで思っていたことを言われ、目を見開く。そして、とっさに"だよね。長いよね"と返す
赤葦「.....バレーしてたの?」
____あ....
穴があったら埋まりたい