第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
__ガクンッ
「__なッ...」
肘を付いて顔を支えていたからか、ガクンッと顔が落ちて目が覚める
変な夢を見ていた
どんなのだったかは覚えてないけど...
?「静かにしてください。木兎さん...」
ふと耳に聞こえた声の主は、同じクラスの赤葦京治と言う長身イケメンだ
この学年でも、勿論他の学年でも人気は相当
こんなモブキャラKくらいの私にとって、同じクラスなれたことだけでも奇跡であって、ましてや話すなんて自殺行為
遠くから"カッケーなぁ"くらいで拝めればそれで充分過ぎるくらいだった
木兎「あかーしッ!早く!練習時間無くなる!」
教室のドアから聞こえる元気な声
三年生の木兎光太郎先輩だ
バレーで全国の五本の指に入るスーパーエース
梟谷学園の学校紹介パンフレットや、バリボー等でも取り上げられていて、学校で知らない人は居ない
そういえば、今月のバリボーで取り上げられてたな...そんなことを思いながらお弁当を持って友達の席に移動した
ゆな「あ!夢香!お昼食べよ」
「うん」
私はゆなと向かい合って座り、机の上にお弁当を広げた
ゆな「本当に、木兎先輩のスパイク凄かったんだって!」
かれこれ10分程木兎先輩の話を聞いている
ゆなは木兎先輩に密かに好意を寄せている
だか、あれだけ有名な人となると、ライバルも山のように居るわけで、彼女もそれを分かりきった上で試合などを見に行ったりしている
「本当に木兎先輩のこと好きなんだね」
ゆな「うん...好きなことに一生懸命な人ってカッコいいじゃん」
そう言うゆなは嬉しそうに笑う
可愛いな~なんて思ってしまう
「....そうね」
私も微笑みながら答えた
あっという間に昼休みも終わり、気付けば放課後
私は早く帰りたくて、ゆなに"じゃーね"と声をかけて教室を出ようとした
担任「あ、山田。このあと職員室に来てくれ」
しかし、面倒なことを言われたため、すぐには帰れそうにない
「はい...」
私は返事をすると、鞄を持って職員室へと向かった