第20章 雲の上の存在【及川徹.2019HPB】
すると、及川君は少し驚いたように目を見開いて、こう言った
「そんなの、気にしなくてもいいのに」
「そんなこと言ったって、女子は怖いんですよ~」
「えぇ、でも、俺が守るよ~?」
「ちょ、そんなセリフは好きな人に言いなさい」
いきなり守るよとか、心臓に悪い
私はふざけながらも及川君のLINEコードを読み取り、"及川徹" を追加した
やば、なんか謎の優越感が……
「……好きだから言ったのに……」
何か及川君が呟くも、周りがガヤガヤして聞こえなかった
「……ん?なんか言った?」
「なんも~、____あ、これだね。」
そしてその日が、
2人が初めて話した日で、2人がLINEを交換した日
そしてその半年後、
卒業式の日、二人は晴れて付き合うことになる。
そしてその数年後、色々と困難はあったが………
「お父さん、お母さん……私は徹さんと……幸せになりますッ!」
結婚式の花嫁スピーチで私はそう言いきった
隣には日本代表バレー選手の及川徹さん
「夢香、絶対幸せにする」
「…うん、ありがと…」
そう笑いあって、
私は今日から及川夢香になるのだ。
end.