第13章 月と星が輝く夜に【武田一鉄】
武田「それでは、この前の期末テストの答案を返します。出席番号順に取りに来て下さい」
そう言って、武ちゃんは答案を返していく
縁下は今回も高得点だったらしい
回りの男子が"すげー!"と騒いでいるのが聞こえる
「松山さーん」
ついに私の名前が呼ばれる
「今回は頑張りましたね。びっくりしました。次も頑張って下さいね」
そう言って渡されたテストの答案の点数のところには82と書かれている
「!」
私は、嬉しかった
それと共に、やらなければならないという緊張が出てくる
私は、自分の席に戻った
その日の放課後、私は、武田先生に話があると呼び出した。場所は靴箱前の広場だ
時間は、男子バレー部の練習が終わって先生が帰る時間になったら、会う予定だ
先生は、"そんな時間に女子が一人で危ない。"と言ったが、急ぎの用があって、今すぐ行かないといけないが、今日中に聞きたいことだから、と何度も何度も押したら了承してくれた
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靴箱前の広場、時間ぴったりに着くと、武ちゃんはもうすでについていたらしい
「あ、山田さん、どうしたんですか?こんな遅くに...」
「あ、あの...現代文の質問良いですか...?」
「 ? 良いですけど...それなら明日でも....」
先生がそういいかけて、私は、"だめです..."と言った
「先生には今夜の月は綺麗に見えますか?それとも、星が綺麗に見えますか?」
「...!」
何かに気づいた先生は目を見開く
「私には、月が綺麗に見えます」
__"貴方を愛してます"___
遠回りだけど、確かな言葉
先生ならきっと分かる
「____僕も...そう思います」
「___!」
先生が発したのは"イエス"の言葉
「____でも、今日の月は駄目です」
「____え?」
そして、意外な言葉だった