第13章 月と星が輝く夜に【武田一鉄】
次の日
昼休み、私は、自動販売機に向かいながらずっと考え事をしていた
なぜ、武ちゃんは"星が綺麗ですね"といったのだろうか?
ただ、純粋に星がきれいだと思ったのが、それとも何か国語的意味があったのか
私には無理難題だった
そして、自動販売機に着くと、同じクラスの縁下がボタンを押してお茶を買っているところだった
「あ、山田」
縁下は何もないように、そこを通りすぎようとした
その時、私は思い出した
コイツ...現代文のテスト、確か2位だったよな
「え、縁下ぁ!」
「え、ちょっ、何?」
私は、縁下を全力で引き留めた
「__聞きたいことが有るんですが!」
「え...お、俺で答えられるんだったら....」
そして私たちは教室へと戻ることにした
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「で、聞きたいことって?」
縁下が椅子に座り、さっき買ったお茶を飲みながら聞いてくる
私は、縁下の座ってる前の席の椅子に座って、さっき買ったぐんぐんヨーグルトを飲みながら答えた
「あのさ、"月が綺麗ですね"って言葉あるじゃん?」
「うん」
「それって、たしか、"結婚してください"って意味でしょ?」
「うん。まぁ、"愛してます"とかね」
縁下は"それがどうした"と言いながら、聞いてくれる
「で、星だとどうなの?」
「.....はい...?」
縁下は"意味わからん"と言う顔だ
「だから、"星が綺麗ですね"ってなんかこう、意味とかあるの?」
私が聞き直すと"あぁ"と納得したらしく、顎に手を当てて"確かね~..."と考え始める
「___確かだから分かんないけど、"貴方に憧れている"だった気がする」
「.....それ、本当....?」
それを聞いて、私は、益々意味がわからなくなった
どちらかと言うと、私が武ちゃんに憧れてるんだけど....?