第10章 君の香りを追えば【川西太一】企画作品
寒い寒いクリスマスの夜______
一つの恋が叶ったと同時に
白くて冷たいものが空から舞い降りてくる
「雪だ....」
太一「これから寒くなるな」
「うん...」
宮城は東北なので勿論雪は多い
でも、今年は降るのが遅かった
太一「風邪...引くかもだし、もう家入った方がいいんじゃね?」
「....そだね」
本当はまだ一緒に居たい。
もっと喋ってたい。
でも時間も時間だし、雪まで降ってきた
確かに、家に入った方がいいだろう
「じゃあね....」
私は回れ右をして、家に入ろうとした
その時、太一に後ろから強く抱きしめられた
いきなりのこと過ぎて頭が追い付かない
太一「ずっとこうしたいって思ってた...。 明日、朝迎えに来るから...」
「うん...////」
耳元で言われて、何だか恥ずかしい...
そして、太一は少し照れながら、私の顔を自分の方に向けて、唇を重ねる
太一「.....じゃあな...」
ゆっくりと離れて、自分の家の方向に歩いていく太一
私は家の前で立ち尽くしていた。
キスは一瞬だったのに、感触をはっきりと覚えている
「今の...ファーストキスだったのに...////」
一人呟く
その声は夜空に消えていった
肌に触れる空気は凄く冷たくて寒いはずなのに、体はすごく熱くて火照っていた。
クリスマスも案外悪いもんじゃない______