第10章 君の香りを追えば【川西太一】企画作品
数十分後、私の家の前まで来たとき...
「じゃあ、また明日...」
太一「....おう...」
いつもなら、ここですぐ別れて私は家に入るのだが、なぜか2人とも動こうとしなかった
「......」
太一「.....」
沈黙が走る。
私が勇気を振り絞って、声を出したとき...
「「あのっ...... !?」」
2人の声が重なる
太一「えっ、あぁ 先どうぞ...」
「あ、あぁ うん...じゃあ....」
2人ともグダグダな中、私は手に持っていた袋を前に差し出した。
「今日...クリスマスだから、その...気に入ってくれるかは分からないけど...太一につけて欲しい...から」
太一「え...?」
目を見開き、驚く太一。
「嫌だったら捨ててもいいからッ!」
太一「...くれるの?...」
私はコクッと頷いた
太一「マジか...嬉しい.....ありがと.......... あー...先やっとけば良かった........」
袋を受け取った太一はそう言って頭を抱える
「.....?」
どうしたんだろう?と思っていると、太一は通学鞄からプレゼントの包みを取り出した。
「......えっ?」
太一「コレを渡そうと思ってたんだけど、先越されちゃったし....」
そう言ってそっぽを向く太一はほんのり頬が赤い気がする。
気のせいかな?
そして、"やるよ"と渡してくれた包みはさっきの店のロゴが入っている
「お母さんからのおつかいじゃなかったの?」
太一「ちげーよ。お前、いつも頑張ってて、手、カサカサだったからよ。その.....」
だんだん声が小さくなって、もごもごなるのを見ていると、面白くて"ぷっ"と笑ってしまう
太一「ばっ、笑うな....////」
「ごめん、ごめん...!でも、嬉しい...開けていい?」
太一「おぉ....」
私は中身が気になったので、了承を得てから袋を開ける
そして、中身を取り出した
中に入っていたのは____________