第10章 君の香りを追えば【川西太一】企画作品
鷲匠「休憩ー!」
「「「「おーす!」」」」
鷲匠監督の一声により、みんなが一斉にこちらへやって来る。でも、ちゃんと先輩...3年生からだ。
覚「夢香ちゃーん!ドリンクとタオルちょうだーい!」
「はい。どうぞ。」
元気よくとびかかってきた天童先輩にそれらを渡す
覚「ありがとぉ!」
そして、私に抱き付く。
いつもテンション高めの天童先輩は抱き付いてきたり、腕を絡ませたりと取り合えずボディタッチの多めの人だ。
でも、私は無表情で全てをスルーする。
覚「んも~!夢香ちゃん釣れないなぁ~」
瀬見「おい、天童...いい加減にしろ。」
問題児組からいつも私を守ってくれて、私たちのオカンでもある瀬見先輩
「どうぞ」
瀬見「おお、ありがとな」
そして、ニカッと笑う。イケメンや...
次に牛島先輩にも渡す
「どうぞ...」
牛島「ああ....」
ただ一言交わすだけでも緊張してしまうようなオーラがある
続いて2年
「はい。どーぞ」
白布「ありがと...」
白布とは仲が良い方だし、やはり3年生に渡すより、断然気が楽だ
そして、太一。
「ほれ」
太一「おっと....投げんなよ。落としたらどーすんだよ」
私は太一に向かって、スポドリとタオルを投げて渡す。
そして他の2年にも渡して、1年生。
五色「ありがとうございますッ!!」
「はーい」
五色は純粋で見ていて気持ちの良い子だと思う。
そして全員に渡し終えた後、鷲匠監督の元へ向かう
「先生。今回のスパイクの決定率とレシーブ、ブロックの成功率です。」
鷲匠「おう、いつも助かる」
「いえ...」
12月に入ってから導入された練習法...
それがこの、"パーセントステータス"(仮)だ。
これは一回五本づつ、スパイク、ブロック、レシーブをして、決定率出す
そのあと、それをもとに一ヶ月の平均を出して、自分の得意不得意をはっきりさせようというのが狙いだ。
都合が良いことに、私は数学は得意なほうなので、苦にはならなかった
そして、今日も一日が終わろうとしていた