第7章 恋に落ちる速度とその証明【及川徹】
あのあと、地獄の様なクリームパンは食べずに5、6限を受けて放課後だ
あれどうしよう...
それよりも、今日は来ないで頂きたい
だって、面倒だし
そして、皆の居なくなった教室で一人宿題をする
なんで、先生こんな沢山宿題出すんだよ...
いい加減ガチで泣きたい
そう思いながらも宿題を進める
「山田さん今日も頑張ってるね~」
あぁ、最悪だ
教室のドアから聞こえた陽気な声
しかし、私はあえてスルー
「ちょっと!2人しか居ないからスルーしないで?」
チッ、誰も居ないのか
「なに?」
ちょっとイラッとしながらも相槌をうつ
私ってばなんて優しい
「いや~今日も山田さん居るかな~?って思ってさー」
「私に何か用?」
「いや。別に~?」
なら、さっさと部活行けやこのクソ野郎...
ちょっと、いや、かなりイラッとしたが、私はその怒りを飲み込んだ
「はぁ、用無いんなら部活行け」
「だって、岩ちゃん怖いんだもん☆」
"怖いんだもん☆"じゃ無ええええええ!
岩泉君の気持ちがすっごく分かった気がする
いや、こんなのと小さいときから一緒とか
私なら、ストレスで寿命縮んで結果0になって死んじゃう気がする。いや、死ぬ。
「へー。でも、行かないといけないでしょ。キャプテンなんだし」
「そうだね」
___会話終了のお知らせ___
なんで会話のキャッチボールのボールをキャッチしたまま投げないんだよコイツ。
めっちゃ、気まずいやん
すると、いきなりボールを号速球で投げ返してきた
「お腹空いた...何か持ってない?」
「ない」
思わず、ないと答えてしまったが、本当はある
お前のせいで買ってしまった"青汁クリームパン"が...
「ええ~、何かないの~?何かくれないと及川さん部活いかないから~!」
「ええ...」
どこぞのハロウィン風嫌がらせだ
お願いだから帰ってくれー
私は仕方なく青汁クリームパンを鞄から取り出した
「お!あるんじゃん。どれどr....なんでこんなの買ったの?」
"★青汁クリームパン☆"のパッケージを見てちょっと苦笑いな及川
一つだけ言おう、私のせいじゃない
「お前のせい」
「何でっ!?及川さん関係ないでしょ!?」