第20章 雲の上の存在【及川徹.2019HPB】
「本当?有難いわ!」
ゆながそう返すが、私は有難くないぞ
男子に恐ろしく耐性がない私が、あの花巻君と及川君の隣でハンバーガーを食べるの??絶対死ぬわッ!!!
私が何も言えず固まっていると、勝手に色々進む
「じゃ、またな」
「ばいばい」
岩泉君と松川君がそう言って行ってしまう
私が混乱してると、ゆなは率先して花巻くんの隣に座る
「ほら、夢香も早く座りなよ」
「え……あ、うん……」
なんとか返事をして空いてる席を見た時、
息が止まった、
え、え、え、及川君の隣っすか……(白目)
でも、ここで立ち尽くしてる訳にもいかず、恐る恐るトレーを机に置き、できるだけ及川君側に行かないように席に座った
目の前で花巻君とゆながマシンガントークをしているのを見ながら、ちまちまとポテトを口に運ぶ
勿論、私と及川君の間に会話など一切ない
どうしよう、気まずい。
あれ、ポテトってこんなに味薄かったっけ?
元から濃くもないけど、全然味がしねぇ……
そう思ってた時、
「なら行くか!」
「だな!花巻!」
目の前で何か決意した二人
いや、どこに行くんだ。どこに行くんだッ!!!
「夢香!私は花巻と行かなければならないケーキ屋がある」
「及川、俺たち、行ってくるなッ!」
私と及川君が驚きで黙りこくっていると、
そう言い切ってトレーを持ってどこかえ消える二人
2人でその光景を見ながらポカーンとなる
まって、まって、まって、本当に待って。
あの王子様と???
二人きりで???
マックですか???
私に死ねと??
ゆな、私はお前を許さんぞ←
私は一口も食べてないハンバーガーを捨てて帰ろうか……とさえ考えた時、
「あ、の………山田さん?」
及川君にいきなり名前を呼ばれる
まって、私の名前知ってたんだ…なんか嬉しい
「っ、あ……はい?」
キョドりながらも彼の方を見ながら返す
すると、彼は驚くほど綺麗な顔で苦笑いをして話し始めた