第20章 雲の上の存在【及川徹.2019HPB】
「二人とも仲いいよね……でもいきなりあれは驚いちゃった…」
そう言ってははっと笑う彼、笑顔が眩しい。
私は緊張しながら "そ、そうだね…" と返す
「二人とも甘いの好きなのかな」
「マッキーはシュークリーム好きなんだよね~」
「あ、ゆなはエクレア好きだよ」
「それりゃ仲良くもなるね」
そんな話をしながら少し笑う
及川君って、ちょっと怖いイメージがあったけど、話してて結構優しいんだな~と思った
その他にも岩泉君や、ほかのクラスの人の話を聞いたり話したりしていると、ふと私の本音が零れた
「及川君って、結構話しやすいね。」
「え、俺どんなイメージだったのさ…」
「うーん……騒がしいグループでちょっと怖かったかな…って、ごめんね!こんなこと言って!!」
怖かったって言われていい気分のやつなんて居ないだろう
私が慌てて訂正すると、
「いや、それなら良かった」
「……?なにが?」
「んーん、こっちの話」
及川君は安心しような笑顔を見せて少し嬉しそうにそう言った
そして話は昨日の話になった
「そういや、昨日凄かったね。誕プレ」
「あぁ、後輩が沢山くれるんだよね~」
「まぁ、ありがたい話じゃん?……あ、そういや今日だよね?お誕生日おめでとう」
そう言うと、彼は一瞬目を見開いて、嬉しそうに笑って
「ありがと、嬉しい」
と言った、
その顔がなんともカッコよくて、私は思わず頬が赤くなる
すると、及川君が思い出したように "あ、そうだ" と声を上げる
「もし良かったら、LINE交換しない?」
彼はそう言って自分のスマホを見せる
「え、私なんかが交換していいのかな…」
そう本心が漏れる
だって、青城の女子達が喉から手が出るほど欲しいLINEだぞ??それを私なんかが貰っていいのだろうか……
「いいに決まってるでしょ!……てか、なんでそんなに俺の事上げるのさ」
及川君がヘラヘラも笑いながらそう問いかける
「いや、及川君は部活とか勉強とか出来るし、女子にもモテるし、私なんかがいいのかなって思って」
私はそう笑いながら返す