第18章 強引な君に心惹かれて【赤葦京治】企画作品
赤葦君との放課後勉強会も、何だかんだで日常となってきた4日目
きょうも図書室かな~と思いながら教科書をかばんに入れる
赤葦君ってクールな見た目の割に結構抜けててやっぱり男子高校生なんだなって思う時が多々ある
この前なんて、世界史の教科書のザビエルの写真に、逆さにしたらペンギンになる落書きしてて…。
私は思わず吹いて、そのまましばらく笑ってた
そんな事を考えていると、いつの間にか教室には一人になっていた
え、まって、みんな帰るのはやッ
まぁ、部活もないし仕方ないか
私も急ごう…と思いながら荷物を詰めるスピードを上げる
その時、後ろから赤葦君の声が聞こえた
赤葦「あ、山田さん。」
「お、どうもー」
お互い軽い挨拶をする
そして、ここでふと疑問に思った
「そういえばさ……何で私なんかに勉強教えてくれるの?」
そう、普通に気になる
何で私??
赤葦「さぁ?」
そう言って笑う赤葦君
赤葦「……あ、今日帰ってきた英語のテスト、どうだった?」
「………」←
いきなりの質問に私は黙り込む。
いや…いえる点数じゃねぇよ?うん。
「な、なんの事かな?」
赤葦「……へぇ…?気になるなぁ??」
私がとぼけると、赤葦君の口がニヤニヤと弧を描く
私は逃げるように図書室へと向かった
そして、話をそらされて少しホッとした自分が居るのに気づいた
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それから図書室で勉強をしていた
英語の問題に苦戦しながら、頭の奥深くに埋もれた単語を引っ張り出していると、赤葦君が口を開く
赤葦「……ねぇ、次の学年末、俺と勝負しない?」
「……は?」
私はいきなりそんな事を言われ、気の抜けた声を上げた
私が赤葦君とテストで勝負???
……いや、普通に無理ゲー←
「え、いや、無理でしょ」
赤葦「あー、俺が負けるわ」
「いや、逆」
私があーだこーだと学力の差について語っていると
赤葦「じゃあ、副教科も入れよう。んで、負けた方が勝ったやつのゆうこと聞くってことで。はい、決定」
そう言ってニッコリと笑う赤葦君に私は乾いた笑いしかかけられなかった
拒否権無しかよ…←