第16章 貴方に届ける応援歌【及川徹】
次の日、放課後まで平和に過ごした私は部活に行こうと靴を履き替えていると、靴箱に手紙が入っている
なんだこれ?と思いながら中身を見ると"放課後、一人で裏庭に来てください。"と書かれている
なんだよ、どこぞの告白だよ((
まぁ、どちらかと言うと果たし状か
そう思いながら、私は裏庭へ向かった
さぁ、今回も論破しますか
______________
裏庭は人通りがほとんど無く、滅多に行かない
なので、そういうのにはもってこいの場所なのだ
女子1「やっと来たわね」
(↑さっきの子とは違う子)
「何?私忙しいんだけど?」
女子2「煩いわね。及川くんの幼馴染みだからっていい気になって...」
そう言って私を睨み付ける
「いい気になってるように見えるんなら謝るよ。ごめん。でも、こんなことしたら益々アイツから嫌われるだろうね。馬鹿なの?」
女子2「ッ!煩っさいわね!」
ムキになって荒々しく返してくる
一応、罪悪感はあるのね
「その返しは自分でも自覚してるんだね。なら、止めなよ。じゃあ、私は部活に行くから」
女子1「...何よ。及川くんは天才なんだから貴女の応援なんて要らないわよ?」
その言葉に"ビキッ"と来た
応援がなんたらじゃない。
____"天才だから"?
__ふざけんな
自分の中で何かが"ブチリッ"と千切れる音がした
私は"ふぅーー......"と長く息を吸って吐いた
「__お前さ、アイツの何を見てきたの?」
女子1「...はッ?__それはッ、サーブしてるとことか、セッターしてる時とか...」
私の態度の変わりように戸惑いながらも答える
「あんたの目には及川が"天才"に見えたんだね。ふざけるな......。あいつはなぁ、努力でセンスを磨きあげてあそこまで強くなったんだよッ!」
思わず強く言ってしまう
でも、怒りは押さえられない
「アイツは...及川は人一倍努力して、頑張ったからあそこまで強いんだ。何も知らない奴等は"天才だ"とかほざくけど、お前らが思ってる以上にアイツはカッコいいんだよ!」
そこまで言って、息を吐く
すると、
及川「随分と誉めてくれるね...夢香」
「....及川.....?」
建物の影から及川が出てきたのだ