第16章 貴方に届ける応援歌【及川徹】
溝口「及川!どこいたんだ!」
「女子と仲良くお喋りしてましたよ~!こんなに元気な子は、外周させましょう!」
及川「ちょと!そうだけど、違うしッ!」
そして、練習が始まった
あ、外周は無しだってよ。実践練習を多くとりたいんだって...チッ....
そして練習が終わり。みんながぞろぞろと部室へ向かい帰りの準備を初める頃、及川は一人、ボールが入ったカゴを傍らに、サーブ練習を始めた
岩泉「おいおい...またオーバーワークか...?」
「大会前になると毎回だよね」
確かに、大会前で焦る気持ちは分かる
でも、練習だって全てが糧になる訳じゃない
練習し過ぎたら、体を壊しかねない
それに今日の部活だって、通常の部活時間より1時間長くしてもらってる
「及川~!今日は帰ろう?」
及川「....いや、ちょっと打ってから帰るよ。二人は先帰ってていいよ」
明らかに通常とは声のトーンが違う
どうしようか...
そう思っていると、一が"おい!及川!"と叫ぶ
岩泉「お前...サーブばっか練習しやがって、俺のスパイクが気に食わねぇか!」
及川「ッ!そうじゃない...!でも((岩泉「じゃあ!」 ...?」
岩泉「明日早く来て、スパイク練すっぞ。だからもう帰るぞ」
及川「....!...あぁ、分かった」
それを聞いて、一は少し笑って"行くぞ夢香"と言って門へと向かった
私は一に付いて行く
及川は鞄を取って私たちの元へ駆け寄る
「オーバーワーク野郎」
及川「煩いッ!」
呟くと、べしッと頭を叩かれる
痛ぇ...
そして、私たちは帰り道を歩いていった
帰っている時、一が"そう言えば"と口を開いた
岩泉「夢香、最近はねぇのか?あれ...」
あれと言われてはじめは何が?と思ったが少し聞きづらそうに言うので察した
「あー、及川ファンの嫌がらせ?」
及川「あぁ...本当にごめんね...」
及川は申し訳なさそうに謝る
別に及川は悪くない
「お前は悪くないし、謝んな!てか、やることが幼稚だからいっつも写真取って笑ってるよ。写真見る?」
及川「え、そっちの方が逆に酷くない?」
「やられたらやり返す!」
岩泉「古いな」
一に鋭い突っ込みを入れられた