第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
あのあと、資料のページ分けは全て終わり、ホチキス止めは明日しようということになり、帰る準備を始めた
外は暗くて電気がついている教室が異様に明るい気がした
「すぐ終わりそうだね~」
赤葦「だね、でも、二人でこの量は流石に...」
そんなことを話ながら靴箱へと向かう
靴を履き替えると、先に履き替えたであろう赤葦君が待ってくれている
イケメンか
そんなことを思っていると、赤葦君が"遅いし、送ってく"と言ってくれる
「え、大丈夫だよ。こんなの襲うやつおらんし...てか、私が赤葦君送った方が意味あるでしょ」
そんなことを言うと赤葦君が"フフッ..."と笑い、こう返した
赤葦「女性が男子送ってどうすんだよ。ほら、こういう時は男に甘えとけって」
「おうふ...」
イケメンにそんなこと言われたら誰だって言葉を失うだろう。てか、イケメン以外がコレ言ったらハッ倒すかもな
帰り道、話が全く続かない...
と言うわけでもなく...
バレーの話で盛り上がった
赤葦「木兎さんは確かに凄いんだけど...しょぼくれモードになると、面倒」
「しょぼくれモード??なんだそれ」
赤葦「あー、あからさまのミスとかが多くなると"トス上げるな"って言い出すんだよ」
「うっわ、面倒。でも梟谷は潰れないの?」
赤葦「うん。他の先輩方が強いからね」
「へぇ...その"しょぼくれモード"ちょっと見たいかも(笑)」
赤葦「今度、練習試合見に来る?しょぼくれモードが出るかは分かんないけど」
「行きたい(笑)」
話の流れが途切れて、静かな時間が流れる
別に気まずいという訳でもなく歩いていると、赤葦君が"ねぇ..."と話かけてくる
赤葦「山田さんって、前世って信じる?」
「....前○前世?」
赤葦「違う...__前世の記憶...」
そんなことを言われても、前世って.....
そう思っていると、また昼の夢が蘇る
そう言えば、この男性...赤葦君に似てるんだよな~
執事服に身を包む男性
「赤葦君はさ、前世執事だったりしてね(笑)」
言った直後に後悔する
前世執事って別に嬉しくないだろ。くそ...
何言ってんだ私は。死にたいよ...
赤葦「ッ!そ、そうだね。あり得るかも」
でも、赤葦君は否定はしなかった
あ、なんとか助かった