第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
「あ...ありがと...赤葦君って女子力高いね...」
謎の敗北感を感じつつも、感謝の気持ちを伝える
赤葦「.....いや、それくらい普通だよ。気にしないで」
一瞬赤葦君の顔が驚いたように見えたが、気のせいだろう。また微笑んで、作業を再開した
私もそれを見て、作業を再開する
どれくらいたっただろうか?
三分のニくらいの資料をまとめ終わった頃、私たちは少し休憩を入れた
「量可笑しいでしょ...これ....」
ついこぼしてしまった本音
赤葦「....山田さんって、そんな口調なんだ?」
そう言われて"ハッ"とする
流石にヤバいか、今の発言は...
「あ....ごめん。女子らしく無いよね...」
赤葦「...いや、そっちの方が楽でいい」
意外な返事で驚く
私は思わず聞き返した
「.....本当?」
赤葦「うん...なんか、他の女子が俺と話すときって、必ず敬語とか丁寧な感じでさ...」
「あー、だろうね」
なんとなく分かる気がする
女子はカッコいい人の前では少しでもおしとやかで居たいもの
赤葦「...別に良いんだけど、ちょっと話しずらいと言うか...ね...」
そんな風に思ってたのか...と思いながら私は"まぁ..."と続けた
「女子なんてそんなもんでしょ。赤葦君カッコいいんだから、しょうがないんじゃない?」
そして、赤葦の方を見て笑う
赤葦「嫌味にしか聞こえないんだけど...」
そう言う彼もまんざらじゃなさそうで、口角が上がっている
「だって、本当のことでしょ~」
赤葦「煩いな...ほら、まだ全部終わってないんだから、続きやるよ」
「えぇ....」
そして、私たちは残りの三分の一を終わらせる為に作業に取り掛かった
赤葦君と話すときは素の自分のような...そんな気がした